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感情失禁の7つの意外な原因【対応のポイントを伝授します!】

<監修臨床心理士 鈴木崇弘>
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「感情失禁」と聞いて初めに思いつくのは「失禁」という言葉に関することではありませんか?

 

喜怒哀楽の感情は特に意識せずに表に出ます。また、感情は隠すこともできるしある程度の範囲は理性がリミッターとなって抑えることもできます。

 

しかし、ある原因から感情の波が激しくなり、制御ができなくなることがあります。それが感情失禁なのです。

 

上下する感情を抑えることも隠すこともできず、すべて出し尽くしてしまうために周囲も戸惑ったり対処できずに衝突したりすることもあるでしょう。

 

感情失禁の症状や原因を知り、適切な対処方法を考えてみましょう

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感情失禁とはどんな症状

 

感情失禁とは、ほんの些細なことにも感情が通常よりも簡単に多く出過ぎてしまうことで「情動失禁」とも呼ばれます。

 

失禁と言うと泌尿器の症状が有名すぎますが、感情失禁は喜びや怒りが大喜びや激怒というもっと大きなパワーに変わることを止められずにに表に溢れさせてしまうことなのです。

 

喜怒哀楽が激しくなる

喜怒哀楽が常に行ったり来たりと変化を繰り返します。周囲の状況に比例して感情がくるくると変化することもありますが、激しさを増していくとそれらとは全く関係のない喜怒哀楽が次々に現れます

 

本人は全くそれを気に留めていません

 

感情を読めない

普通に見て悲しい状態なのに急に笑い出したかと思えば、ついさっきは笑っていたのに急に涙を流すことがあります。周囲が何か悪いことでもしたのではと心配になりますが、全く無関係です。

 

テレビや映画を見ていてもその場面とは何の関係もないリアクションを取ったりすることで気づく場合もあります。

 

また、喜怒哀楽に関わらず能面のような顔つきで表情が止まってしまうこともあり、感情が全く読み取れません。

 

感情をコントロールできない

道端に咲いている花がきれいだと言っただけでも泣くこともあります。大声で怒っているからと少し遠巻きにしているとおかしくもないのに急に笑い出したりします。

 

刺激から起こる情動・感情を抑えることができず、その感情が簡単に多く出ることが良くあります。本人は感情をコントロールすることができません。

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感情失禁の7つの原因

 

感情失禁は脳内の神経伝達物質の不均衡から現れると言われます。このため、脳内疾患や委縮が見られる状態に多く表れるのです。

 

感情失禁の引き金となる脳血管障害などの疾患について解説します。

 

脳出血・脳梗塞

脳の血管から出血したり詰まったりする脳出血や脳梗塞では、発症した部位に血液が行き渡らず脳細胞が壊死します。

 

それらの後遺症として夜間譫妄(やかんせんもう)やうつ病などがあり感情失禁も挙げられています。

前兆についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
脳出血の前兆チェック!頭や目の異変に【要注意】

 

脳卒中

脳卒中の後遺症として怒りっぽくなるなどの症状が挙げられます。昔のことなどを話している時に感情失禁の症状が高確率でみられます。

 

通常は大脳でコントロールされているため脳の偏桃体は暴走することがありません。しかし、脳卒中にあって偏桃体に影響が及ぶと感情が抑えきれずに簡単に多く出るという症状が出ます。

 

脳血管性認知症

脳血管性認知症は認知症の種類の中ではアルツハイマー型の次に多い病型です。高齢者に限らず生活習慣病がもとで発生するくも膜下出血や高血圧・糖尿病などの生活習慣病が原因となることが多いものです。

 

脳自体の変性ではなく、原因疾患や外傷などから二次的に発症する認知症です。この場合も脳のダメージを受けた部位によって症状は違いますが、歩行障害や感情鈍麻などの症状や感情失禁が現れることが多くみられます。

【関連記事】
脳血管性認知症の4つの症状【その特徴や治療法を徹底解説】

 

統合失調症

統合失調症の症状に感情が現れなくなる感情鈍麻とともに感情失禁が挙げられています。統合失調症は神経伝達物質・機能障害・構造異常などが原因とされています。

 

統合失調症は精神科領域の疾患ですが、同じ領域としてアルコール依存症の感情失禁も挙げられます。

 

高次脳機能障害

事故や転落などの頭部外傷による脳の損傷により起こる後遺症を高次脳機能障害と呼びます。脳血管障害の後遺症でもこの高次脳機能障害は発生します。

 

身体的障害・記憶障害・遂行機能障害など、外見からは判断しにくい障害が多発します。感情失禁は社会的行動障害の中に含まれています。

 

仮性球麻痺

仮性球麻痺とは大脳皮質などの損傷による麻痺症状のことです。損傷部位によって大脳性舌唇咽頭麻痺・大脳延髄性舌唇咽頭麻痺と呼び方が変わります。

 

失語症や構音失行などとともに顔面筋での随意運動ができないのに意識的でない運動はできるという乖離症状が見られます。

 

感情を伴わない不随意運動として出現しますが、この症状に感情失禁の要素が混在して強制泣き笑いが発生するという特徴があります。

 

ADHD

ADHDとは注意欠陥・多動性障害のことでおもに子供の時に診断される疾患です。不注意・多動性・衝動性という3つの症状が顕著にみられるものですが、その周辺症状として感情失禁が発生することもあります。

 

子供に限らず大人のADHDも近年は注目されています。

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感情失禁にはこう対応しよう

 

感情が全く読み取れない感情失禁は本人の自覚がある場合もありますが、それを抑えることができません。周囲の人たちはそれを始めは理解できずにどう対処してよいかわからずに困惑するばかりです。

 

感情失禁だと理解できたとしても接する時にはお互いに混乱状態を招くことになります。かかわり方を知ることで、円滑なコミュニケーションをとり意思の疎通を図ることが大切です。

 

聞き役に徹する

まずは話を聞くことが重要です。自覚のある感情失禁の患者さんの話によると、さえぎらずに自分の話を聞いてもらうことで辛さや悲しみが薄れてくると言います。

 

否定的な言葉や態度を出さずにじっくりと話を聞いてあげましょう。

聞き役としてのコツはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
ノンバーバルコミュニケーション【意味やスキルを簡単に解説!】

 

常に受け身になる

怒りの感情をあらわにしていても、常に受容的態度で接することが大切です。意見を決して出さずにどんな感情にも受け身で接しましょう。この時大切なのは、相手の感情を受け入れるのではないということです。

 

感情まで受け止めてしまっていてはストレスのもとにもなります。泣いている時には何も言わずにそっとその場を離れてひとりにしてあげることも方法です。

 

薬物治療と看護ケア

認知症や高次脳機能障害などの原因に対する薬物治療は限られています。またリハビリだけで回復するとも限りません。医師の診断と共に重要になるのはQOL向上のための柔軟な看護計画と永続的な看護ケアです。

 

症例数の豊富な医療機関で環境づくりや家族支援などもふまえた看護の計画を立てることが大切です。

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